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雲は重く垂れ込めてはいるけれど、空気はからりと流れている
乾いた草のにおいが、さあっと脇を通りぬけてゆく
「アンダルーサでも弾きましょうか」
磨きこまれて黒光りするグランドピアノに持たれかかって、髪の長い少女は不敵に笑った
「ワルツだっていい、あなたさえ良かったなら」
草原の風は その滑らかな素足にさらさらと音を立てる 透明な音を予感させるピアノにも、風は平等にさらさらと音を立てる